日々の空

気の向くままに写真を撮り、思いつくまま文章を綴った日々の泡の記録。

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商店街の記憶

小さい頃によく母親に連れられて行った商店があったはずだと思い、和歌山駅近辺を歩いた。
レジを打つ店員さんが見上げる高さであった映像が記憶に残っているから、相当小さい頃だったのだろう。

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大きな商店で、とても栄えていたはずなのだが、見つからない。
さびれた商店が見つかっただけだ。
アーケードを通過する光がきれいだと思いながら、写真を撮って歩く。
すれ違う人もまばら、ほとんどの店のシャッターが閉まっている。
地方都市の商店にはありがちな光景だ。

別の場所を探す。
駅の周辺をくまなく歩く。
あの商店は、駅から少し離れた場所にあったのかもしれない。

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帰宅後、母親に尋ねる。
まさかとは思っていたが、さきほど歩いてきた商店がその商店街だと言う。
全くもって信じられない。

何度も確認したが、間違いないらしい。
賑やかで、大きなお店がたくさんあって、わくわくするような活気にあふれる商店街の記憶は、錆びたシャッターと薄暗いアーケードの現実に塗り替えられてしまった。
幼少の頃の記憶は、実際よりも誇張されていることがあるのはわかっているが、とても寂しい。

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照れくさくて母親と二人で出かけることも少なくなってしまった今となっては、あの頃連れて行ってもらった数々のお店の記憶は、とても貴重なものだ。
現実は変わっていく。
良い方にも悪い方にも。
それがわかる年齢になった。
あの頃の記憶が映像として鮮明に残っていることを、幸せなことだと思う。

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和歌山市
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  1. 2007/09/08(土) 23:52:22|
  2. 原風景
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記念写真と家族のかたち

旅するカメラ3を読んでいたら、正月に実家に帰った時に撮った記念写真のことを思いだした。

昨年ワークショップに参加してから、写真とのかかわりが以前にも増して強くなった。
そんな気分も手伝って、今年の正月に実家に帰ったときに、家族の記念写真を撮りたいと思ったのだ。

07071401.jpg

それまで毎年のように母親が「記念写真を撮ろう」と言って1月1日に実家の玄関の前で写真を撮っていたのだが、この数年撮らなくなっていた。
僕も姉ももう若くなくなったこともあるだろうが、ここ数年デジタルカメラの影響もあって写真が身近なものになり、写真そのものに対する思いが軽くなってきたのも要因ではないかと思う。
写真が身近になればなるほど記念写真1枚に対する重みが軽くなるというのは、まったくもって皮肉なものだ。

07071402.jpg

少し照れくさいながらも「久しぶりに家族の記念写真を撮らないか?」との提案に、母は喜んで賛同してくれた。
照れ屋で無愛想な父親は、こういう提案にいつも「めんどくさいな~」などと言うのだが、それが照れ隠しなのは家族みんながわかっている。
気づくと嫌そうにしていた父親が三脚とカメラを持ってきてくれている。

「やっぱりフィルムがいいな」という提案に、ミノルタのα-7が三脚にセットされる。
α-7はとてもよく出来た高機能カメラなのだが、父親のものなのでその機能を使ったことが無い。
でも絞りとシャッタースピードさえ決定してやれば、どんなカメラでも写すことができる。
露出計の付いていないカメラで撮るのと同じだと思えばよい。
ワークショップで習ったことだ。

しっかり写っているかどうか、どきどきしながらセルフタイマーでシャッターを切る。
この”どきどき”が、「大切な写真を撮っているのだ」という思いをいっそう強くする。

「フィルムが余ったから」という理由で、僕と姉がフレームから外れた、両親のみの写真も撮った。
照れる父親への強引な理由付けのためにも、フィルムで撮っておいて良かった。

07071406.jpg

同じ日、母親がもらってきた写真館の無料撮影券を使うべく、巨大ショッピングモールの中にある写真館へ行った。
玄関先でリラックスして撮る写真とは別に、しっかりとした設備で、少し緊張を強いられる状況で撮る写真にも意味があると思ったからだ。

子供向けの記念撮影でそれなりに儲かっている写真館らしく、スタッフの数も設備も想像していたより立派だ。
ライティングされ、しっかりとセットされたスタジオで、カメラマンの指示を受けながら撮影される。
カメラは当然デジタル。
2,30分ほどの間に相当数のカットを撮り終え、モニタを見ながらプリントするカットを選ぶ。
選択するソフトもよく出来ていて、左右に並んだカットのどちらかを選択し、ボツになった方に新しいカットが出てくる仕組みになっている。
家族で相談しながら選択し、最終的に2枚をプリントしてもらうことにした。

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ゴールデンウィークに帰った際、母親に「正月に撮った写真、ちゃんと写ってた?」と聞いた。
「あんたに撮ってもらった写真の方がやっぱりよかったわぁ。」との答えにほっと胸をなでおろす。
写真館での写真は、やはり緊張気味だったせいもあり、母親の思い描いている”家族のかたち”が写りこんでいなかったのかもしれない。

年齢を重ねれば重ねるほど、家族そろっての記念写真の重さが増していくように感じる。
家族が家族の写真を撮るというのは、本人が思っている自分やお互いのイメージを写すための、最も優れた手法なのだと思う。
僕に写真の手ほどきをしてくれた父と、いつも「記念写真を撮ろう」と照れる様子も無く提案してくれる母に、ただただ感謝するばかりだ。



Zeiss Ikon Biogon 35mm ZM
  1. 2007/07/14(土) 21:47:46|
  2. 原風景
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ホームグラウンド

ブルーハーツが歌いたかった。
それだけの理由でギターを覚えた。
練習のために公園で歌ったその日、半ば強引に友人に連れてこられたのが堺東商店だった。
以来神戸に引っ越してからも、この場所がずっとホームグラウンドだった。

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人通りの多い表通りではなく、1本通りを入った路地。
喧騒の裏にある静寂が好きだった。

酔っ払いのおじさんが「がんばれよ~!」と声をかけてくれる。
斜め向かいの中華料理屋のおじさんが「おう、新曲できたんか!」と喜んでくれる。
ヤンキーのお兄さんが足を止めて真剣に聞いてくれる。
水商売のお姉さんが涙を流してくれる。

歌い終わった後、まっすぐにこちらを見て無言で握手を求められるのが、実は一番うれしかった。
初めて会う人でも常連さんでも、誰かと話をして帰った日は、真冬のバイクが寒くはなかった。

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この付近にはホームレスのおじさんたちもいて、彼らは本当に純粋で、そして優しい。
たくさんの人たちと夜の友だちになった。
人生経験についての話だったり、普段の生活のことだったり、ここに来なければ聴くことができなかったであろう話をたくさん聴いた。

ところがいつも聴きに来てくれていた彼らが、ある時から全く姿を現さなくなった。
もともと根無し草のようにいろんな土地を渡り歩いている彼らのことだから、どこかへふらっと旅立ったのだろうか、と思っていた。

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しばらくたったある日、歌い終わって帰ろうとすると、よく聴きに来てくれていたおじさんとばったり会った。

「おっちゃん久しぶりやなぁ~!」
「そやなぁ、しかしこないだできた新曲、あれええ歌やなぁ~。」
「え?!?聞いてくれてたん?!」
「そりゃそうや、俺にいちゃんのファンやからなぁ。
そやけど俺らみたいなんが前に座って聴いてたら他のお客さん来にくいやろ?
そやからずっとあそこで聴いとったんよ。」
おじさんの指す方向には、小さな路地があり、ちょうど僕が歌っていたところからは死角になっていた。
おじさんは寝泊りする場所をそこに決め、ずっと僕の歌を聞いてくれていたのだという。

そんなこと、気にしなくてもいいのに、、、、
胸が詰まって言葉が喉の下あたりで粉々に消える。
僕は、純粋すぎる優しさにふれると、涙をこらえきれなくなるタイプの人間だ。

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この場所で出会って今でも付き合っている人がいる。
この場所に行かなければ出会えなかった人もいる。
僕が今でも歌を歌おうと思えるのは、ここで出会ったすべての人たちのおかげだ。

だからこの寂れた商店の裏通りが、僕にとってのホームグラウンド。
それはこの先どこに住もうとも、変わることはない。
いつの日かまたこの場所で歌い、そこで初めて会う人と、無言の握手を交わしたいと思う。
  1. 2007/06/04(月) 23:23:33|
  2. 原風景
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田舎育ち

田舎に生まれ育ったため、小さい頃から季節の変化は自宅の庭から感じ取るものだった。
春から初夏にかけて、植物の緑は瑞々しく輝き、虫たちは賑やかに騒ぎ出す。
そんな環境で育ったため、小学校の頃の愛読書は図鑑だった。
主な遊び場は空き地や小川だった。

当たり前だと思っていた事が、今ではとても贅沢なことのように感じる。

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大阪・山中渓
CONTAX i4R

  1. 2007/05/03(木) 12:20:57|
  2. 原風景
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やさしさの風景

大阪と言っても相当な田舎なので、最寄り駅は夜無人駅になる。
この駅を乗り過ごすと、次の駅は和歌山県内に入る。

寒空の下、ふとベンチに目をやると、誰がかけてくれたのか座布団が敷かれている。
1時間に4,5本しか電車の来ない駅である。
寒風に吹かれながら待つ人を気遣ってのことだろう。
こういう風景をやさしい風景というのだ。
どれだけ寒い風が吹こうとも、手足が冷え切ってしまおうとも、体の中から、心から暖かくなっていくのだ。

CONTAX i4R

忘年会などの飲み会が多くなるシーズンになると、終電近くにこの駅の前には車が停まっている。
誰かを迎えに来ているわけではない。
飲み過ぎて乗り過ごしてしまった乗客が降りた際に、家まで送るためなのだそうだ。

以前は乗り過ごしてここで降りた乗客が、駅前や付近の家に停めてある自転車を盗み、家まで帰って乗り捨てる、という事件が多発していたそうだ。
その対策として、その人を家まで送り届けてあげているのだ。
自転車を盗む方も、こんな田舎の駅からでは歩けないだろうし、盗まれた方も嫌な気分になってしまう。
だったらちょっとした心遣いでお互い気持ちよくなりましょう、ということなのだ。

こういう人のいる街だからこそ、この写真のような風景があるのだろう。

  1. 2007/01/05(金) 11:27:55|
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