東京に住む前、東京に来るたびに訪れていた場所がいくつかある。
東京都写真美術館、神保町の古書街、そして岡本太郎記念館。
3年ぐらい会っていなかった人が東京に来るというので行きたい場所を聞いてみたら、岡本太郎記念館だった。
久々に訪れた岡本太郎記念館は、以前何度か来た時よりも庭の植物が繁茂し、それとは対照的に館内は整理されていた。
普段東京に来た友人を案内するのは、自分が好きな街ばかりだ。
神楽坂、浅草、三ノ輪、、、。
今日はあまり歩き回る時間がなかったこともあり、自分でも久々に訪れてみたい場所に行くことにした。
岡本太郎記念館を見た後、東京タワーを見てからお台場へ。
お台場へは何度か行ったことがあるのだが、一番最初に来たのは学生の頃だった。
当時はまだ自分がこういう風景を作り出す側の人間になるのだと思い込んでいた。
ランドスケープアーキテクトになることしか考えていなかった。
今は全く違う道に進んでいるけれど、それはそれでいいことだと思っている。
人生なんて自分でコントロールできないことの方が圧倒的に多いのだから。
お台場に向かうゆりかもめの車窓から、ビルに写る大きな紅い光が見えた。
空は淡いピンク色に染まっていく。
東京の冬の日没は早い。
お台場
海浜公園で降り、一直線に浜まで向かう。
浜に着いた頃、ちょうどビルの間に今日一番紅く、一番大きな太陽が沈んでいくのが見えた。

空の色がどんどん変化するのを眺めながら、何も考えずにシャッターを切っていた。
今まで何枚の夕陽の写真を撮っただろう?
気が済むまで写真を撮っていられる時間が好きだ。
その先にどんな風に変化するかが読めないところが何よりも良い。
簡単にコントロールできてしまうものの中には、本当の楽しみや喜びは詰まっていないのかもしれない。
もう空色の変化は落ち着いたと思い、
「そろそろ行こうか」
と言った。
「あと5分このままいたい」
と言われた。
5分後、空はさらに紅く染まった。
- 2007/11/25(日) 23:59:24|
- CONTAX i4R
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2