日々の空

気の向くままに写真を撮り、思いつくまま文章を綴った日々の泡の記録。

喜多村みか写真集「Einmal ist Keinmal」

喜多村みかさんの写真展を観に行ったのは、2011年2月。
http://swing75.blog54.fc2.com/blog-entry-2128.html

その時にも記事に書いたが、キヤノン写真新世紀展を毎年見に行っていた中で今だに印象に残っている、最も好きな作品が「TWO SIGHTS PAST」であり、それは今も変わらない。
今日まで東京で展示があって行きたかったのだけれど、都合が合わず行けなかった。

その代わり、というわけでもないのだが、写真集を購入した。
喜多村みか写真集「Einmal ist Keinmal」

何日か前から毎晩見ている。
最初に感じた感想は、「わからない」ということ。
前半のページをめくっていると、頭が混乱してくる。
「なぜ?」が頭の中に走りだして次のページをめくらずにいられなくなる感覚。
そして何度か見ていくうちに、やはり一番最初に東京都写真美術館で感じた感覚と同じように、すっと写真の向こう側の世界に没頭していく自分に気づく。
徐々に「わからない」が不可解な心地良さになってくる。
何度も見ているうちに理解するための”手がかり”のようなものに気づく写真があったり、自分自身の経験を重ねあわせて既視感を感じる写真があったり。
そして一気に最後まで目を通してしまう。

写真集はページ数が多くなればなるほど、その構成によって最後まで集中が続かないものもあるが、全くそんなことはなく、どんどん没頭してしまう。
喜多村さんがどれほど意識して構成されているかはわからないが、写真集全体を通じて動きがあるように感じる。
映画を見ているような、車に乗っているような、うまく説明するのが難しいけれど、とにかく「動いている」感覚にとらわれる。
その感覚こそが、最初に写真新世紀展で見た写真集を何度も何度も並んででも見たくなった感覚なのだと思う。

写真集を見ていて、好きになるかどうかの判断基準の一つに、”自分が写真を撮りたくなるかどうか”という基準がある。
喜多村さんの写真集を見ていると、無性に写真が撮りたくなってくる。
きっと何年先になっても、何度も何度も見続ける写真集になるだろう。

13040601.jpg
  1. 2013/04/06(土) 22:43:25|
  2. Sony α NEX-5 G Planar 35mm
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Memoires.―1984-1987

古屋誠一さんの写真集Memoires.―1984-1987が届く。
昨年出版されたものだが、遅ればせながらの入手。
いつも古屋さんの写真集を見る時は、襟を正す気分になる。

カラーとモノクロが混ざっている。
多重露光でダブル、トリプルイメージとなった写真もある。
ページをめくり、クリスティーネさんの最後の日記。
美しい光が、悲しみを助長させることがあることを知る。
街は淡々と流れる。
一人の写真家が生き続けている。
写真家としての計算もあるだろうけれど、生きていることが表現そのものになっている。
文字は少ないけれど、たくさんの言葉を吸収した気分。
本当に良い写真集だと思う。

11021801.jpg
  1. 2011/02/18(金) 22:55:01|
  2. Leica X1
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Asakusa Portraits

鬼海さんの新しい写真集(Hiroh Kikai: Asakusa Portraits)がやっと届いた。
(中身はこちら→Steidl: Asakusa Portraits, Hiroh Kikai by ICP
以前ニューヨークで展示があるという話は聞いていたので気になっていたのだけれど、ここで写真集が出たことを知ってすぐ買うことを決めた。
ところがAmazonでは販売されていなくて、洋書屋さんで取り寄せてもらった。
円高になったこともあって当初の予定価格よりも少し安くなったものの、その後チェックしたらAmazonで普通に買えて、さらに安くなっていた。
洋書に関してはAmazonで買うのが一番安いようだ。

内容はこれまでのぺるそなのシリーズからのものがほとんどだけれど、恐らく初めて見る写真もある。
印刷が良くて満足している、と鬼海さん自身もおっしゃっているようで、実際に中間調がとても美しく出ているように思う。
普段はぺるそなの普及版を見ているのだけれど、鬼海さんの写真にはやはりハードカバーの方が似合う気がする。
写真が小さいとディテールにまで目が行かないことも多いのだけれど、大きい写真だとその人物の持ち物や顔の傷などにも目が行く。
そこからどんどん思考が回り始める。
最小限の言葉しか記されていないため、自然とその人の背負ってきた歴史や人となりを想像してしまう。
人間というのは、言語による情報量が少なければ映像から得られる情報で無意識に思考し始める生き物のようだ。
写っている人も強い個性を放っているのだけれど、どうしてもそれを写している鬼海さんの方にも意識が向かう。
シンプルな方法ゆえに絶対に真似できないと思える力がある。
ページをめくる速度がどうしても遅くなる。
中身のずっしり詰まった写真集だと思う。

08111501.jpg
  1. 2008/11/15(土) 23:57:59|
  2. ROLLEIFLEX 3.5F Planar
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有元伸也さんのオリジナルプリントと「西蔵より肖像」

有元さんのプリントを受け取るために、トーテムポールフォトギャラリーへ。

購入の意志を伝えてから少し時間が経ったが、この日の事を思うだけで嬉しさがこみ上げる毎日だった。
20×24という大きさのせいもあり、ポリガードがなかなか納品されなかったり、こちらの都合が付かなかったりで、長い間待ったような気もするが、その間わくわく感がずっと持続していた。

ギャラリーを訪れたのは、閉廊後。
大きな机の上に並べていただく。
袋からプリントが出てきた瞬間から、顔がほころびっぱなし。
あまりの嬉しさに興奮状態。

それもそのはず、4点のうち1点はariphotoのシリーズで展示作品を見ているが、その他の3点は写真集「西蔵より肖像」でしか見たことがなかったからだ。
写真集で何度も見ていたのに、想像以上の圧倒的な存在感に驚く。
20×24という大きさも相まって、生々しく、美しい。
嬉しさで胸がいっぱいになった。

プリントにも相当時間をかけていただいたようで、僕が写真集を見て購入を決意したことも考慮して、「当時の解釈と現在の解釈の中間ぐらい」のトーンで焼いていただいたとのこと。
シャドー部の像のぎりぎりの出方など、これを出すのに一体どれぐらいの時間と印画紙を消費されたのだろうか、と想像すると、またいっそう喜びがこみ上げてくる。

080308004.jpg

ギャラリーを出てからもずっと笑顔が抜けない。
すれ違った人はさぞかしおかしな人だと思ったことだろう。
少し暖かくなった夜の心地よさも手伝って、幸せな興奮がずっと冷めない。
遠回りをして、混雑しない電車に乗り、抱えるようにして帰ってきた。

オリジナルプリントを買うという行為は、全肯定を形にする行為。
その上買う側は好きな作家の生み出すものを形あるものとして所有できる。
とても幸せな行為だと思う。

080308001.jpg

僕が有元さんのことを知ったのは、カメラ雑誌の後ろの方にある新刊紹介でだ。
この記事だけを見て購入を決め、電話で注文した。
確か99年末のこと。
僕はまだ学生だった。

東京に来て本人からオリジナルプリントを買うことになるなんて、その頃は想像することすらできなかった。
生きていることで、いろんなことが繋がっていく。

080308002.jpg

オリジナルプリント購入を機に、写真集にもサインを入れていただいた。

また一つ、宝物が増えた。

080308003.jpg
TPPG、701
  1. 2008/03/08(土) 22:38:08|
  2. CONTAX i4R
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旅する写真家に旅の話を聞く

台風一過の空を、ベランダでのんびり撮影した後、2Bへ。

グループ展用のブックを渡部さとる師匠に見てもらう。
並び順に関する具体的な話。
「写真の文法」に関する視点や考え方のヒントをもらった。

その後traverseを見ながら話をする。
ぱらぱらとページをめくりながら質問をすると、次から次へとおもしろい話が出て来る。
写真の奥にあるストーリー、撮影時の状況、食事の話やトラブルの話、、、、。
たくさんの国や島々を旅してきた写真家が、その写真を目の前に旅の話をしてくれる。
これ以上贅沢な時間があるだろうか?

師匠が別の部屋に仕事に戻った後も、しばらくtraverseを眺めていた。
たった今聞いたストーリーを、写真に重ね合わせてみる。
「写真の文法」のヒントを元に、並びやつながりの文法を紐解いてみる。
気づくと随分時間が経っていたが、traverseの中の島々にいるかのような、ゆっくりと静かな時間を過ごすことが出来た。

07071601.jpg

新宿




traverseは、20冊以上まとめての購入で、トークショーを開いてもらえるとのことです。
http://blog.livedoor.jp/gallery2c/archives/51255947.html


  1. 2007/07/16(月) 23:14:46|
  2. ROLLEIFLEX 3.5F Planar
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写真と音楽と植物をこよなく愛する東京在住の大阪人です。
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