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日々の空

気の向くままに写真を撮り、思いつくまま文章を綴った日々の泡の記録。

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奥山淳志写真展「庭とエスキース」を見に

銀座ニコンサロンで奥山淳志写真展「庭とエスキース」を見る。
随分長い間楽しみにしていた展示だ。

前日から東京に行っていたことを知っていた奥山さんから、「恒夫さんと有元さんと飲むのでよければ」というお誘いをもらい、喜び勇んで久々に新宿御苑前に馳せ参じていた。
そして翌日には朝まだ人が少ないうちに展示をゆっくりと見て、夕方にはまた山下恒夫さんとのトークショーに参加。
まさに奥山さんづくしの2日間だった。

展示も写真集と同じく、じっくりと見ていると世界に引き込まれ、最後の1枚で鳥肌が立った。
写真の力であり、奥山さんの力なのだと思う。
何よりプリントの美しさ。
写真展でプリントの美しさのみに言及することの是非はあるが、今回のカラーのプリントは本当に美しい。
弁造さんが作り上げた庭の美しさもあってだが、写真を見ることの喜びを、本当に素直に感じることができた。

トークショーでは山下さんの写真をスライドショーで見た後に、奥山さんのスライド。
山下さんの写真もとても魅力的で、もっともっとお話を聞きたかったが、奥山さんのスライドには本当にやられた。
サプライズがあって、弁造さんのことがよりリアルに感じられる仕掛けが仕組まれていた。
弁造さんという物語が、写真という枠組みを軽く超えて大きなものになっていくような予感を覚える。

トークでは、弁造さんとのこと、写真のこと、色々なことが語られた。
奥山さんの人柄、山下さんの人柄が現れていて、笑いもあり、深い話もあり、とても貴重な時間を過ごせた。

2月にまだ大阪での展示もあるので、そちらも必ず行くつもりだ。

R0024828.jpg 





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  1. 2018/01/27(土) 22:43:14|
  2. Ricoh GR Digital IV
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再び奥山淳志さんの写真集「弁造」

またじっくりと写真集を開いている。
物語の結末を知っているはずなのに、何度見ても、何度読んでも心が揺り動かされる。

弁造さんが逝ってしまった後、その空間を埋めるように人が集まり、”今”が続いていく。 
過去と今とが重なり合い、その中にある奇跡のような繋がりに、ただただ感動する。
 
奥山さんの言葉は、弁造さんへの感謝の手紙なのかもしれない。
二人の強い”縁”としか言えない結びつきが奇跡を生み、それを私達が見させてもらっている。 

写真集というジャンルを超越して、後世に語り継がれるべき作品だと思う。
  1. 2018/01/25(木) 01:15:00|
  2. 写真集
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奥山淳志さんの写真集「弁造」

 
奥山淳志さんの写真集が完成した。
個人的に親しくさせていただいていることもあり、一足お先に送っていただいた。
襟を正して見ていたら、気づくとあっという間に2時間半。
ただただ感動し、涙が溢れた。

奥山さんと最初にお会いしたのが2010年、トーテムポールフォトギャラリーで行われた個展で、その際のテーマが弁造さんだった。
それ以来奥山さんとも色々な話をし、突然の弁造さんとのお別れを知り、奥山さんのフィルターを通して弁造さんのことを色々と考え、直接弁造さんとお会いしていないにも関わらず自分の心のどこかに弁造さんが存在しているような、不思議な感覚を持っていた。
今回の写真集で、自分がこれまでに見た写真、知っていたこと、見たことがない写真、知らなかったこと、それが一冊の本という”モノ”となって提示され、これまで以上に弁造さんの存在が近くなった。
写真と言葉、写真集というモノとしての存在感、それらが一体となって心に入ってくる。
写真が”消費”される時代にあって、これほど丁寧で深い仕事の結果として写真集が生み出されたのは、奇跡に近いのではないかとすら思う。

写真評論家でもなんでもなく、写真を職業としている人たちと比べるとそれほど多くの写真を見ているわけでもないので、写真の世界の文脈での位置づけや素晴らしさを語ることはできないが、とにかく感動し、そして人生において長く自分の考え方や心の有り様に影響を与えてくれる一冊になるであろうことだけは、確信できる。
もちろん個人的に親しくさせていただいているので、贔屓目に見えている部分もあるとは思うが、写真の力、物語の力に加え、普遍的であることが、自分の心が動く大きな理由なのだと思う。

写真の美しさについて。
初めて奥山さんの写真を風の旅人で見た時から、奥山さんの写真には優しく強い力を感じている。
ただ表面的に美しいのとは異なる、どこか心に残る湿度のようなものがあり、それが生身の人間の感覚に訴えるということなのかもしれない。
被写体の力もあるだろうし、目の向け方もあるだろうし、プリントの美しさもあると思うが、とにかくどこかに懐かしさを感じるような、何も感じずに簡単に次のページに行けないような、そういう写真としての力を感じる。

物語の力について。
物語の面では、弁造さんと過ごした時間、弁造さんとの対話、弁造さんの言葉、生き方、出来事、そういったことが、奥山さんの思索の賜物である”言葉”を通じてすっと心に入ってくる。
写真だけではわからない不思議を、決して説明的ではなく補完する道具として、奥山さんの言葉は写真とのバランスも含めてとても優しく、強い。
ページを開いた最初の瞬間から最後のページをめくるまでがとても短く、美しく深い世界に浸っているような感覚を持つ。
例えが正しいのかはわからないが、とても感動する映画を見ているような、そんな感覚。

普遍性について。
弁造さんという一人の男性は、あくまでも一個人でしかない。
ただ、この写真集を通じて、今というその瞬間を見つめることやその難しさ、生きることの不思議といった、普遍的で深い問いに対する一つの答えを見つけることができるような気がする。
あくまでも一つの答えであって、答え自体に普遍性があるわけではないが、それでも自分が生きるスタンスに影響を及ぼしてくれるであろうと確信しているのは、その答えが自分が感じているものと近く、どこかで深く呼応するからなのだと思う。

写真はいつも過去であるが、写っている対象は確実にそこに存在していた。
人は記憶、つまり過去を振り返ることでしか未来を見ることができない。
今という瞬間は、過去の積み重ねで成り立っている。
今弁造さんがいないという事実は事実だが、弁造さんのことを思うことは、弁造さんが今この瞬間に生きているということと同義ではないか。

若い頃に大学の同期と生きることの意味について議論した際の言葉を思い出す。
「俺は形ある何かを残せなかったとしても、誰かの記憶に残ればそれで良いと思っている。」
奥山さんは写真集という形あるものを作り、それによって弁造さんは多くの人の中で再び生き始めた。
奥山さんにとってはそれが何よりの喜びなのではないか。
そこまでの思いを持ってもらう弁造さんという存在の大きさ。
一度生前にお会いしたかったな、とも思うが、残された言葉、絵、庭の写真を通じて弁造さんが考えていたことを想像するだけでも十分にその大きさが伝わってくる。
会いたくなったら写真集を開くことにしようと思う。

http://benzo-book.atsushi-okuyama.com/benzo/
http://photography.atsushi-okuyama.com/

ニコンサロンでの個展
http://www.nikon-image.com/activity/exhibition/salon/events/201706/ex_20180124.html







  1. 2018/01/21(日) 23:31:00|
  2. 写真集
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渡部さとる写真展「2Bとマンデリン そして僕はこの町を離れる」を見に

ギャラリー冬青にて、渡部さとる写真展「2Bとマンデリン そして僕はこの町を離れる」を見る。

昨年も年始の展示に伺ったが、土曜日で渡部さんは不在。
今年は在廊されているところに伺うことができた。

2Bの入っているスタービルの取り壊しに伴い、この2月~3月には2Bがなくなってしまう。
このところ渡部さんがしきりに発言されているノスタルジーというやつが、直接体現されてしまうことになる。
2Bに通っていたのはまだ東京に住んでいたころなので、2005年~2007年の間のどこかだったと思う。
かれこれ10年以上が過ぎ、その間も2Bはずっとあり、渡部さんが卒業時のメッセージでいつも伝えてくれる「いつでも2Bは開いています」という場所だった。
実際卒業後も何度も何度も訪れて、写真やカメラの話をたくさんした。
渡部さん自身も2Bには必ずいらして、写真やカメラの話以外の話を含めて、たくさんの話をした。
おそらく2Bに通っていた人はみんなそれぞれに同じような思い出を持っているのだと思う。

今日は冬青でノスタルジー、懐かしさと美しさ、モノクロの写真でできること、クリエイティブ、プリントの販売価格、、、、色々な話をした。
この数年で渡部さんとお話する内容も、少し深い話が増えたように感じる。

展示自体は脈絡もなくバラバラに、というふれこみであったが、懐かしい写真もあり、見た風景もあり、思いのほかまとまっていた。
見たことのある場所の写真も、見たことのない場所の写真も、どちらも懐かしさや美しさを感じるというのは、渡部さんが狙った通りなのかもしれない。

帰り際、2Bはなくなってしまうものの、渡部さんと二人でお話をしていると、どこにいても2Bのようだな、と感じた。
結局場所は人が作るものなんだと実感。

 






  1. 2018/01/05(金) 23:39:00|
  2. ROLLEIFLEX 3.5F Planar
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藤原新也写真展「沖ノ島」

藤原新也の写真展「沖ノ島」を見に。

トークショーの整理券は開店と同時に並ばなければ入手できないのではないか、という予想の通り、開店と同時に年配の方たちが必至で8階の整理券配布場所まで走っていく。
杖を突いているおじいさんは弾き飛ばされるような状況で、直前で「ここまでです」と言われる始末。
自分はなんとか確保できたので、本当におじいさんが入れないなら譲ろうと思い、最後まで見守っていたら、ぎりぎり最後の1枚が配布された。
この手のイベントはいつも重たい気分にさせられてしまう。

写真展の内容自体は相当力が入っている印象で、巨大なプリントの前にたたずむと、その場にいる雰囲気を感じられるというか、場の空気に飲み込まれる感覚を覚える。
カメラは当然デジタルではあるものの、あいまいさや揺らぎのようなものが含まれているせいか、写真に湿度を感じる。

沖ノ島が世界遺産に登録されて、藤原新也という写真家ではなく沖ノ島の写真を見に来た人も多いのではないかと思う。
そのせいか人がずっと絶えず、なかなかじっくり見ることができない時間帯もあった。

震災以降藤原さんと個人的に会話をすることも多く、かれこれ6年以上のおつきあいになるのであまり気負わずお話することができるのだが、こういう会場に行くたびに「長年のファンです」という人が緊張の面持ちで藤原さんに話しかけにくるのを見て、自分も6年前はそうだったんだなぁ、と懐かしい気分になる。
今回も会場にいらした藤原さんとしばし歓談。
トークショー終了後も比較的ゆっくりとお話することができ、その際にはこちらの個人的なことも気にかけえくださっていて、そりゃファンや信者も増えるよな、と思った次第。










  1. 2017/07/30(日) 23:04:03|
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