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日々の空

気の向くままに写真を撮り、思いつくまま文章を綴った日々の泡の記録。

有元伸也写真展「TIBET」を見に。

Zen Foto Galleryにて、有元伸也さんの「チベット」を見に。
以前にも書いたことがある通り、有元さんのことを知ったきっかけは「西蔵より肖像」で、それ以来のファンなので今回の展示、写真集の発売には特別な思いを持っている。 

展示は恐ろしく美しいプリントに圧倒された。
中でも特大のプリントは、有元さんの代表作でもあるチベットの少女が雑踏の中で座っているものと、ヤクを引いた少女が雪の中で佇むものが印象的だった。
この2枚の写真が撮られた際のエピソードも聞いていたので、その思いもあって感慨深い。しかしそんなことを考えなくとも、とにかく美しく、歴史に残っていく名作だと思っている。

しかし写真集の中から何カットオリジナルプリントを焼いていただいただろう。
その中には、写真集には含まれていなかったものもあって、「当時の技術では焼けないと思っていた」ゆえに写真集に入らなかったものも。
今回の新編写真集には、しっかりとそんな写真も含まれていて、個人的にすごく嬉しかった。

今の有元さんの作品とチベットの作品が、鬼海弘雄さんの表現を借りると「一筋の川の流れのように繋がっている」ことを、多くの人に感じてもらいたいと思う。

IMG_20190430_204555_660.jpg 

  1. 2019/04/30(火) 21:05:00|
  2. 写真展
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奥山淳志写真展「さようならのはじまり」

奥山淳志さんの写真展「さようならのはじまり」へ。
トークイベントにも参加。

奥山さんの写真展が関西で開かれるのはおそらくニコンサロンの巡回展以外では初めてではないかと思う。
KOBE 819 GALLERYのオーナーが奥山さんに惚れこんで実現した企画とのこと。
展示は弁造さんではなく、「あたらしい糸に」のシリーズ。
プリントをほぼベタ焼きサイズにして、1つのフレームに20枚収めるというスタイル。
1枚の写真ではなく、複数の写真から見えてくる空気感のようなものを確かに感じる。
ベタ焼きではなく引き伸ばし機にベローズでわざわざ”引き伸ばさない”で焼くという、奥山さんらしい仕事をされていて、そのあたりのお話が非常に面白かった。
仕上がりの微妙な違いもさることながら、間に空間ができることにより、覆い焼き等のテクニックが使えるようになる、というお話などは、なるほどなぁ、と思った次第。

内容の話は、なぜこのタイトルなのか?というところから非常に深い話へ。
祭礼が今その意味を失いつつあって、でも続けることによって何か未来へ向けてのポジティブなものになる、つながっていく、そういう観点から「あたらしい糸に」というシリーズだったものが、なぜ「さようなら」なのか。
具体的なエピソードがきかっけとなって、祭礼の終わりをリアルに意識し始めた瞬間、今続けているその意味を真剣に考えるようになり、そのことで今の時間がより輝きを増すというような話は、生と死の話にも通じるものがあって、非常に共感できる。
当たり前のことを当たり前だと思わずに、それが当たり前ではない世界を意識することで、眼の前の今の貴重さが立ち現れてくる、そんなイメージ。

弁造さんのシリーズはパーソナルな視点で撮られているシリーズで、このシリーズはパブリックな視点で撮られているようにも思う。
両者の作品がここまでしっかりと多くの人の共感を得るレベルで発表できる写真家はあまりいないのではないか、と思える。

奥山さんとも少しの時間ではあったものの、ゆっくり話すこともできて、直近4月16日に発売される「庭とエスキース」についてのお話も伺えた。
こちらは弁造さんのシリーズを主に文章で綴った作品で、みすず書房から発売される。
常々奥山さんの写真と同時に文章にも強く惹かれていたので、今から本当に楽しみ。

 

このところ奥山さんの投稿が続いているので奥山さんのファンのブログみたいになってきましたが、まもなく有元伸也さんの写真集「TIBET」も発売になるので、そちらもまた書こうかと思います。



  1. 2019/03/10(日) 23:17:36|
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奥山淳志さんのオリジナルプリント

 
奥山さんのプリントを部屋に飾った。
写真集で見るよりもずいぶん大きいので、いろいろなことが見えてくる。
霧の向こうに弁造さんがいそうで、今にも現れそうで、食い入るように見てしまう。
ここから弁造さんが現れたことも多々あったんだろうな、とさくらの後ろ姿から想像したり。
弁造さんをじっと待つさくら。
弁造さんはこの世にはいないし、その帰りを待っていたさくらもすでにこの世にいない。
その写真を撮っている奥山さんは今もこの世にいるものの、その写真を撮った時の奥山さんではないかもしれない。

写真の面白さが凝縮されたような写真だと改めて感じる。
被写体と写真家の関係性、被写体とその被写体が写っている空間の関係性、時間軸における位置関係、いろいろなことが含まれていて、しかもそれが見るたびに膨らんだり、新しい見方ができたり。

写真集とは違った見方ができるので、本当にプリントを購入してよかったな、と実感。

  1. 2019/01/26(土) 23:00:00|
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奥山淳志さんから作品が届く

IMG_20190108_232339_745.jpg 
奥山さんからオリジナルプリントが届く。
ちょうど一年前に写真集が届いて、その後個展に伺ったりしながらどの写真にしようかとずっと悩んでいた。
そして結局昨年12月に入ってからお願いするものを決めて、年内ギリギリにプリントしてもらうことになった。
いつもオリジナルプリントが手元に来ると、厳かな気持ちになる。
自分が「所有する」ことの喜びが起点にあってお願いするものの、手元にくると大切なものを預からせていただいている、というような感覚になる。
消費するものではなく、次代に受け継いでいかないと行けない、というような使命感を持つからなのだろうか。

お願いした写真は弁造さんが写っているものと、その庭の写真。
庭はいつまでも完成せず、手を入れ続けないと美しくはならない。
そのことから、美しい庭は弁造さんが生きていることを示しているように感じる。
ただ、1枚だけ弁造さんが亡くなってから撮られた写真も選択した。
そこにはマーガレットが咲き乱れ、弁造さんが時間差でそこを訪れる人に語りかけているかのような、そんな美しい光景が広がっている。
自分が庭や風景に興味があったこともあって、弁造さんの作る庭にとても共感するし、この美しさを保つための労力と、その労力を維持し続けようとする心の有り様にとても惹かれる。

春には文章を綴った作品集も出されるとのこと。
部屋に飾る写真と相まって、新たな思考への旅に誘ってくれるのではないかと、今から楽しみにしている。





  1. 2019/01/09(水) 00:29:17|
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奥山淳志写真展「庭とエスキース」を見に

銀座ニコンサロンで奥山淳志写真展「庭とエスキース」を見る。
随分長い間楽しみにしていた展示だ。

前日から東京に行っていたことを知っていた奥山さんから、「恒夫さんと有元さんと飲むのでよければ」というお誘いをもらい、喜び勇んで久々に新宿御苑前に馳せ参じていた。
そして翌日には朝まだ人が少ないうちに展示をゆっくりと見て、夕方にはまた山下恒夫さんとのトークショーに参加。
まさに奥山さんづくしの2日間だった。

展示も写真集と同じく、じっくりと見ていると世界に引き込まれ、最後の1枚で鳥肌が立った。
写真の力であり、奥山さんの力なのだと思う。
何よりプリントの美しさ。
写真展でプリントの美しさのみに言及することの是非はあるが、今回のカラーのプリントは本当に美しい。
弁造さんが作り上げた庭の美しさもあってだが、写真を見ることの喜びを、本当に素直に感じることができた。

トークショーでは山下さんの写真をスライドショーで見た後に、奥山さんのスライド。
山下さんの写真もとても魅力的で、もっともっとお話を聞きたかったが、奥山さんのスライドには本当にやられた。
サプライズがあって、弁造さんのことがよりリアルに感じられる仕掛けが仕組まれていた。
弁造さんという物語が、写真という枠組みを軽く超えて大きなものになっていくような予感を覚える。

トークでは、弁造さんとのこと、写真のこと、色々なことが語られた。
奥山さんの人柄、山下さんの人柄が現れていて、笑いもあり、深い話もあり、とても貴重な時間を過ごせた。

2月にまだ大阪での展示もあるので、そちらも必ず行くつもりだ。

R0024828.jpg 





  1. 2018/01/27(土) 22:43:14|
  2. Ricoh GR Digital IV
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